「食べものの研究がしたいから、食品学科に行きたい」——そう思って探すと、たぶんつまずくんだ。ボクが図鑑のデータを調べたら、ちょうど「食品学科」という名前の学科は、全国に1校しかなかったんだよ。「食品生命学科」にいたっては0。でも大丈夫、学べる場所が無いわけじゃないんだ。食品科学を主専攻にできる学科は53大学に58学科あるよ。見つからないのは名前のほうなんだ。どこに隠れているのか、照らしてみるね。
食品科学を主専攻にできる学科を数えると、53大学・58学科(シンロノズカン調べ、2026年9月時点。募集中の学科。2027年4月の開設予定として公表されているものを1学科、2027年度から学生募集を停止すると公表されているものを1学科ふくみます)。設置区分は学科でかぞえて私立38・国立17・公立3、大学でかぞえると私立34・国立16・公立3だよ。
おどろくのはここ。58学科が名乗っている名前は55通りで、そのうち52通りは1校しか名乗っていないんだ。同じ名前が2校あるのは、たった3つだけ。
残りの52通りは、それぞれ1校だけ。つまり学科名の一覧を眺めて探すのは、ほぼ無理ということなんだよ。
なぜ名前で見つからないのか。いちばん大きい理由はこれなんだ。58学科のうち33学科は、食品が「学科」ではなく「学科の中のコース・専攻・プログラム」として置かれている。実際の名前を見てみよう。
「食品科学コース」という言葉はあるにはあるんだ。でもそれは学科の中の名前で、学科そのものの名前ではない。だから学科名で検索しても出てこないんだよ。とくに国立大学は学科を大きくまとめる傾向があって、入り口は「農学科」や「物質・環境類」でも、中に食品のコースがある——という形が多いんだ。
探す言葉を変えると、見つかる数が変わるんだ。学科名にその言葉が入っているかで数えると、こうなるよ。
ここは混ざりやすいので、はっきり分けておくね。「53大学58学科」は学問の中身で数えた数(食品科学を主専攻にできる学科)。「60学科52大学」は名前で数えた数(学科名に「食品」の3文字が入る学科)。大学の数が53と52で違うとおり、この2つは別のものさしなんだ。名前に「食品」が入っていても中心が栄養学の学科はあるし、その逆もあるんだよ。
その「逆」の例が、これ。食品科学を主専攻にできる58学科のうち、6学科は学科名に「食」の字すら入っていないんだ。
探すときは、食品・食・フード・栄養・醸造・発酵を順番に試してみてね。
58学科が置かれている学部の名前は39通りあるよ。いちばん多いのは農学部で11。でもそれは全体の2割足らずで、残りはバラバラなんだ。2つ以上あるのは、食健康科学部・食物栄養科学部・応用生物学部・応用生命科学部・応用生物科学部・生命科学部・健康栄養学部・環境学部・工学部の各2だけ。
つまり**「農学部に行けば食品科学」とは限らない**んだ。名前を見ると、置かれる場所は大きく4つに分かれているよ。
同じ「食品科学」でも、農学部なら作物や畜産の側から、工学部なら製造装置や分析の側から、家政学部なら食卓と健康の側から入っていくんだ。どこから食に近づきたいかで、選ぶ学部が変わるんだよ。
図鑑では、食品科学を主専攻にできる学科の研究テーマを24大学26学科・79件集めているよ。並べてみると、同じ「食品」でも向いている方向がまるで違うんだ。
安全を守る
発酵させる・醸す
おいしさを解き明かす
はかる技術をつくる
その土地の食材を生かす
これは「その学科の先生が研究していること」であって、「授業で必ず習う」という意味ではないよ。それでも、学科名よりずっと正直に、その学科がどっちを向いているかを教えてくれるんだ。同じ「食品科学コース」でも、酵母を追いかけている学科と、画像で中身を測る学科があるんだからね。
58学科の所在地は、関東20・九州沖縄8・甲信越6・関西5・東北5・東海4・中国四国4・北海道4・北陸2(シンロノズカン調べ、2026年9月時点。学科のキャンパスの場所でかぞえています)。関東に約3分の1が集まっているけれど、9つの地域すべてに置かれているのがこの分野の特徴だよ。その土地の農産物や水産物と結びついた学科が多いからなんだ。大学ごとの学科名・コース名は食品科学の学問領域ページからたどれるよ。
ちょうど「食品学科」という名前の学科は、東京聖栄大学 健康栄養学部の1校だけだよ。でも食品科学を主専攻にできる学科は53大学に58学科あるんだ。多くは農学系・栄養系・応用生物系の学科の中のコースとして置かれているから、学科名の一覧ではなく、学部・学科のページでコース名まで開いて見てみよう。
その名前の学科は全国に0なんだ。探しているのはたぶん「食品生命科学科」で、麻布大学 生命・環境科学部と静岡県立大学 食品栄養科学部の2校にあるよ。「科学」が入るかどうかで検索結果が変わってしまうから、「食品生命」までで区切って探すのがおすすめだよ。
ざっくり言うと、食品科学は「食べものそのもの」に向かう学問、栄養学は「食べた後の人の体」に向かう学問なんだ。だから食品科学は成分の分析・加工・保存・安全が中心で、栄養学は健康や病気との関わりが中心になるよ。ただし大学によって線の引き方が違うし、1つの学科が両方を扱うこともあるんだ。詳しくは「食品科学」「食品化学」「栄養学」、結局何が違うの?を読んでみてね。管理栄養士をめざすなら管理栄養士になるには何学部?のほうだよ。
そうとは限らないんだ。学科名に「食品」が入る学科は60学科あるけれど、そのすべてで食品科学が主専攻になるわけではありません。「食品栄養学科」のように栄養学が中心の学科もあるからだよ。逆に、柴田学園大学のフードマネジメント学科のように**「食」の字が無くても食品科学が主専攻**になる学科もあるんだ。名前で決めずに、カリキュラムと研究テーマを見て確かめよう。
食品科学を主専攻にできる学科のうち、国立大学は16大学17学科あるよ。ただし新潟大学の農学科(食品科学プログラム)や群馬大学の物質・環境類(食品工学プログラム)のように、入り口の学科名が大きくまとまっていて、中にコースがある形が多いんだ。入学後にコースを選ぶ大学もあるから、何年生でコースが決まるのかを募集要項で必ず確かめてね。
学部名・学科名だけで判断せず、きみの好き・得意から自分に合いそうな学問領域を探してみない?5つの質問に答えるだけで、全国の大学の専攻から候補を出してみるよ。