結論から言うと、文化人類学は文学部・人文学部・社会学部・国際系学部・文化系学部と、文系の幅広い学部に置かれているんだって。逆に理学部の「人類学」は化石や骨から進化をたどる自然人類学で、中身はまったくの別物だよ。「人類学」と聞いて、化石人骨から人類の進化をたどる学問を思い浮かべる人もいれば、世界各地の民族の暮らしや価値観を調べる学問を思い浮かべる人もいるんじゃないかな。実はどちらも正解なんだ。人類学には、ヒトを生物として研究する「自然人類学」と、ヒトを文化を持つ存在として研究する「文化人類学」という、中身がまったく違う2つの系統があるんだ。「文化人類学科」を探すと文学部・人文学部・社会学部・国際系学部などさまざまな場所に見つかる一方、「人類学」を名乗りながら理学部にある学科・コースは、たいてい自然人類学(化石・骨・進化)を扱っているよ。実際の大学の例で違いを照らしてみよう。
千葉大学の「人文学科(行動科学コース・文化人類学専修)」では、ヒトを「文化を持った生物」として捉え、文化の多様性と共通性を、フィールドワークに基づく実証的な比較研究で明らかにすることを目標に掲げているんだって。慶應義塾大学の「民族学考古学専攻」(文学部)は史学系の1専攻で、フィールドワークとモノ(物質文化)を手がかりに歴史や社会を読み解く研究室として、文化人類学に近い「民族学」を考古学とセットで学べるんだ(考古学との関係は考古学は何学部にあるの?も参照してね)。文学部が歴史学・哲学と並ぶ人文学の伝統的な受け皿になっている点は、「文学部」は大学によって中身がこんなに違うで紹介した他の学問と同じ構図だよ。
南山大学の「人類文化学科(文化人類学コース)」(人文学部)は、学科名そのものに人類学を掲げる、数少ない例のひとつなんだ。文化人類学・考古学・哲学・言語学・歴史学を横断しながら、フィールドワークと、キャンパス内にある「人類学博物館」の実物資料を使った実習を重視しているのが特徴だよ。
もうひとつ、東京大学の「文化人類学コース」(教養学部後期課程・超域文化科学分科)のように、入学後の進学選択で文化人類学を専攻できる大学もあるんだって。
一橋大学の「社会学科」(社会学部)には「超域社会研究分野」があり、社会心理学・社会人類学・政治学・環境と社会研究の4領域を人文・社会・自然科学を横断して探究する中で、グローバル化や異文化間の関係を扱う社会人類学(文化人類学とほぼ同じ意味で使われる語)を学べるんだって。東京外国語大学の国際社会学部でも、地域研究・社会学と並ぶ専門科目群のひとつとして文化人類学の科目が置かれているよ。語学中心の学部との違いは「外国語学部」と「国際系学部」、語学を学ぶならどっち?も参考にしてね。
早稲田大学の「多元文化論系」(文化構想学部)では、世界各地の文化・思想・歴史を横断的に扱う科目群の中に「文化人類学入門」「文化人類学学説史」が置かれているよ。学科ではなく論系(コース)単位で人類学に出会う例なんだ。「文化」を冠する学部の中身の幅広さは「文化学部」「文化情報学部」「文化構想学部」は名前の印象と中身が違いがちでも扱っているよ。
一方で、同じ「人類学」を名乗りながらまったく中身が違うのが、理学部の人類学なんだ。東京大学の「生物学科」(理学部)には「人類学コース」があり、医学部の授業を履修して人体解剖実習に参加したり、霊長類の行動観察や遺跡発掘の野外実習を行ったりと、ヒトを生物として研究する「自然人類学」を扱っているんだって。京都大学でも、理学研究科生物科学専攻に自然人類学・霊長類学の研究室があり、化石人骨や霊長類の骨格・生態から人類の進化を研究しているよ。同じ「人類学」でも、対象が「文化」か「化石・骨」かで進む学部がまったく変わることは覚えておこうね。
学部名・学科名に「人類学」「人類」の文字があっても、文系(文化人類学・民族学)か理系(自然人類学)かは、所属する学部を見ればほぼ判別できるんだって。文学部・人文学部・社会学部・国際系学部にあれば文化人類学、理学部にあれば自然人類学と考えて、まず間違いないよ。ただし「文化人類学」という文字が学科名に入っていない大学も多い(社会学科の中の一分野、論系の中の科目群など)から、学部案内やシラバス・研究室(ゼミ)一覧まで確認し、フィールドワークを中心とした人類学を学べるかチェックするのが確実だよ。
どちらも現代社会や人間の営みを研究対象にするけど、方法が異なるんだ。社会学は主にアンケート調査や統計データの分析によって社会の構造を明らかにするのに対し、文化人類学は研究者自身が現地に長期間住み込む「フィールドワーク(参与観察)」を通じて、特定の文化やコミュニティを内側から理解しようとするよ。詳しくは文化人類学とは?も参考にしてね。
どちらもあるよ。文学部・人文学部・社会学部・国際系学部にある「人類学」は、文化や社会を対象にする文系の文化人類学だよ。一方、理学部にある「人類学コース」などは、化石人骨や骨格・遺伝から人類の進化を研究する理系の自然人類学で、中身はまったくの別物なんだ。志望する学部の学問分野を必ず確認してね。
地域研究(エリアスタディーズ)は、特定の地域(アジアや中東など)を政治・経済・歴史・文化など複数の視点から総合的に理解しようとする学問だよ。一方、文化人類学は対象地域を限定せず、フィールドワークという「方法」を軸に、文化や社会のしくみそのものを比較研究するんだ。地域を軸にするか、方法を軸にするかの違いと考えると分かりやすいよ。
学部名・学科名だけで判断せず、きみの好き・得意から自分に合いそうな学問領域を探してみない?5つの質問に答えるだけで、全国の大学の専攻から候補を出してみるよ。