🎴 学問領域ガイド

日本画とは? どんな学問か、どこで専攻できるか

岬トモルン(わくわく)

きみは日本画のことを、「墨と筆で描く、昔ながらの掛け軸の絵」だと思っていないかな? ボクが図鑑で調べてみたら、それだけじゃないんだって。日本画は、岩絵具(いわえのぐ)や膠(にかわ)、和紙や絹といった伝統的な素材と技法を使いながら、今この瞬間も新しい表現が生まれ続けている、れっきとした現代の学問領域なんだよ。東京藝術大学をはじめ多くの美術大学で、隣り合う「西洋画」の専攻と並んで、独立した専攻・コースが置かれているんだって。実際の学問としての日本画と、専攻できる港(大学・学部学科)の見つけ方を、これから照らしてみるよ。

最終更新日: 2026-08-26

🌊日本画は「イメージ」と「実際の学問」がかなり違う

世間一般のイメージ

岬トモルン(にっこり)

日本画ってきみの中では、どんなイメージかな? 墨一色で描かれた水墨画。着物や屏風に描かれた、おじいちゃん世代の芸術。もう完成しきっていて、今さら新しいことなんて生まれない、博物館の中の絵——日本画って、そんなふうに思われがちなんだって。

実際の学問としての日本画

岬トモルン(考え中)

実際の日本画は、岩絵具(鉱物や貝殻を砕いてつくる、粒子状の顔料)を膠(動物由来の接着剤)で溶いて、和紙や絹本(絹の布地)の上に、薄い色を何層にも重ねて描いていく技法を土台にした学問なんだって。同じ「赤」でも顔料の粒子の粗さによって発色がまったく変わるから、化学や物理に近い感覚で素材と向き合う場面も多いんだよ。

学びの入口として重視されるのが古典模写(こてんもしゃ)なんだって。琳派や狩野派、大和絵といった過去の名作を、筆づかいから構図まで忠実に再現することで、頭で理解するだけでは身につかない技法を、手を通して体に染み込ませていくんだ。単なる「まねごと」ではなく、先人の技術と美意識を継承するための、いちばん確実な学び方なんだよ。

日本画科というと歴史的な技法を保存するだけの学問というイメージがあるかもしれないけど、実際には抽象表現やミクストメディアに挑む現役の作家を数多く輩出している、生きた現代アートの領域なんだって。伝統素材という土台の上に、作家それぞれが現代的な表現を積み上げていく学問なんだよ。

🔍学べる内容の例

🪨 岩絵具・膠の扱い方
岬トモルン(わくわく)

鉱物を砕いてつくる岩絵具を、膠という接着剤で溶いて紙や絹に定着させる技術を学ぶ分野だよ。顔料の粒子の粗さや膠の濃度で発色が変わるから、素材そのものの性質を体で覚えていくんだって。

🖼️ 古典模写
岬トモルン(わくわく)

琳派や狩野派といった過去の名作を、筆づかいから構図まで忠実に再現して学ぶ分野なんだって。過去の技術と美意識を、手を通して自分の中に取り込んでいく学び方だよ。

📜 和紙・絹本の技法
岬トモルン(わくわく)

和紙と絹本(絹の布地)、それぞれの素材の特性に合わせた描き方や、絵具がにじまないようにする下処理(礬水引き)などを学ぶ分野だよ。掛け軸や屏風といった仕立て方の知識も含まれるんだって。

🌸 花鳥風月の表現論
岬トモルン(わくわく)

自然の景物を通して季節や心情を表す、日本画の伝統的なモチーフとその美意識を学ぶ分野なんだって。古典的な主題を、現代の作家がどう自分なりに再解釈しているかも研究するよ。

🔬研究テーマ例

🔬 岩絵具の粒子径と発色の関係を探る研究
岬トモルン(わくわく)

同じ顔料でも粒子の粗さによって色の見え方がどう変わるかを、科学的に分析する研究なんだって。

✍️ 古典模写を通じた技法伝承プロセスの研究
岬トモルン(わくわく)

模写という学び方が、実際にどんな技術や美意識を継承させているのかを分析する研究だよ。

🎨 現代アートとしての日本画表現の可能性を探る研究
岬トモルン(わくわく)

岩絵具や和紙という伝統素材を使いながら、抽象表現やミクストメディアに挑む新しい日本画のあり方を探る、制作を通じた研究なんだって。

🏛️ 文化財としての日本画の保存・修復技術の研究
岬トモルン(わくわく)

社寺や美術館が所蔵する歴史的な日本画を、当時と同じ素材・技法を使いながら保存・修復する方法を研究するんだって。

どんな人に向いている?

岬トモルン(にっこり)

こんなきみには、日本画の島(学問領域)が向いているかもしれないんだって。

  • 絵具を自分で溶くところから始めるような、素材に直接触れるものづくりが好きな人
  • 日本の伝統的な美意識や歴史に興味があり、ただ調べるだけでなく自分でも作ってみたい人
  • 何層にも色を重ねていくような、時間のかかる制作にじっくり向き合える人
  • 古典を土台にしながら、自分なりの新しい表現も探ってみたい人
岬トモルン(にっこり)

この学問にピンときたなら、きみの好き・得意をボクに教えてよ。日本画以外にも、きみに合いそうな学問の島がまだあるかもしれないから、一緒に探しに行こうよ。

⛵ 好き・得意から、きみのシンロを探してみる

🌅卒業後の進路・関連職業

岬トモルン(通常)

日本画の先には、こんな港(仕事)が見えてくるよ。

  • 日本画家: 公募展や個展で作品を発表する専業画家への道。ただし作品の制作・販売だけで生計を立てるのは簡単ではなくて、他の仕事と両立する道もあるんだって。
  • 文化財修復士: 岩絵具や膠、和紙といった日本画特有の素材知識がそのまま活きる、社寺や美術館の文化財修復の専門職。
  • 美術教員: 教員免許を取得して、中学・高校で美術を教える道。
  • ギャラリスト・アートディレクター: 画廊の運営や作家のマネジメント、展覧会の企画に携わる仕事だよ。
  • 表具・伝統工芸業界への就職: 掛け軸や屏風を仕立てる表具店など、日本画と隣接する伝統産業で技術を活かす道もあるんだって。

🐚よくある質問

日本画と西洋画(油絵)は何が違うんですか?
岬トモルン(考え中)

いちばんの違いは使う素材と技法なんだって。日本画は岩絵具を膠で溶いて和紙や絹に薄い色を重ねていく、速乾性の技法。西洋画は油絵具を使って、ゆっくり乾く性質を活かして色を混ぜ合わせながらキャンバスに描いていく技法なんだ。東京藝術大学の絵画科をはじめ、多くの美術大学で「日本画専攻」と「西洋画(油画)専攻」が並んで置かれていて、どちらも同じ絵画科の中の別ルートという位置づけなんだって。西洋画についても別の島(学問領域)として紹介しているから、あわせて見てみてね。

日本画家として食べていくのは難しいですか?
岬トモルン(おっと)

正直に言うと、公募展や個展での作品販売だけで生計を立てるのは簡単ではないんだって。卒業生には、文化財修復や美術教員、伝統工芸関連の仕事など、日本画で身につけた技術を活かせる別の仕事と創作活動を両立させている人もいるみたいだよ。

子どもの頃から書道や日本画を習っていないと入れませんか?
岬トモルン(考え中)

そんなことはないんだって。多くの大学の入試ではデッサン(鉛筆や木炭による写生)が課されることが多くて、日本画特有の技法の経験は入学後にゼロから積み上げていく大学がほとんどなんだ。

日本画が専攻できる大学の例(全国)

全国から代表的な25件を紹介。エリアごとの一覧は下のボタンから見られます。

札幌大谷大学📍 北海道
🎓 推薦入試あり

1・2年次は専攻横断の共通基礎で絵画からデザインまでを学び、3年次以降に選択する4専攻の一つ。紙や絹などの基底材に、膠(にかわ)で接着させた…

東北芸術工科大学📍 山形県
🎓 推薦入試あり

「写生」を軸に観察力と画力を磨くコース。岩絵具や墨など自然由来の素材を用いた伝統技法を学びながら、東北の豊かな自然環境を活かしたフィールドワ…

筑波大学📍 茨城県
🎓 推薦入試あり

伝統素材・技法を実習中心に学ぶ領域。1年次の日本画実習基礎や素描実習に始まり、2年次に基本技法を固め、3年次は古典模写や人物デッサンで応用力…

文星芸術大学📍 栃木県
🎓 推薦入試あり

総合造形専攻が3年次から分かれる4分野の一つ。和紙・膠・岩絵具など自然素材を用いた日本の伝統的な絵画技法を学ぶ。屏風や掛軸の制作、天井画・障…

東京芸術大学📍 東京23区

日本画の伝統的な素材と技法を基礎から学び、現代における絵画表現を追求する専攻。1・2年次には人物・風景・静物・動物・植物などの制作実習に加え…

多摩美術大学📍 東京23区
🎓 推薦入試あり

日本の気候・文化に培われた伝統的な日本画素材を基礎から学び、独自の表現を追求する専攻。岩絵具や膠など伝統素材の理解と技法習得を重視する。1年…

女子美術大学📍 東京23区

1年次は人物・風景・動物の写生や水彩で観察力とデッサン力の基礎を養い、2年次に水墨表現や岩絵具づくり、紙漉きの研究に取り組む。3年次は人体を…

武蔵野美術大学📍 東京23区外
🎓 推薦入試あり

1・2年次に人体や動物の素描を重ねて日本画の基本素材と技法を習得し、3年次には金銀箔や砂子などの伝統技法を実践的に学ぶ。4年次は100号の大…

金沢美術工芸大学📍 石川県
🎓 推薦入試あり

出願段階で日本画・油画・彫刻・芸術学のいずれかの専攻を選択する学科で、日本画専攻では1・2年次に静物の精密写生を通じて基本的な知識と技術を学…

金沢学院大学📍 石川県
🎓 推薦入試あり

1年次に全専攻共通の基礎を学んだのち分かれる6専攻の一つ。デッサンを基礎に日本画・洋画の技法を学び、観察力と表現技術を磨きながら、素材やモチ…

愛知県立芸術大学📍 愛知県
🎓 推薦入試あり

美術科4専攻の一つ。顔料や紙・筆などの画材研究と、古典に学ぶ伝統的な彩色・線描表現を学ぶ。古典研究を踏まえながら多様な価値観に基づく発想力を…

名古屋芸術大学📍 愛知県
🎓 推薦入試あり

日本画特有の伝統と画材の魅力を、一色ずつ丁寧に絵の具を溶く制作過程を通じてじっくり学ぶコース。1年次に写生・着彩や絹本・截金・箔などの技法を…

成安造形大学📍 滋賀県
🎓 推薦入試あり

美術領域に置かれる日本画コース。1年次に日本画・洋画・現代アートの基礎を横断的に学んだのち、2年次以降は植物や樹木、人体の写生を重ねながら、…

京都精華大学📍 京都府
🎓 推薦入試あり

膠液や貝殻から作る胡粉など日本画特有の画材を用い、伝統技法で対象の本質を描く力を養うコース。2年次には草花を種から育てながら自然を観察し、3…

京都市立芸術大学📍 京都府

写生を基礎に、1・2年次の「日本画A・B」「日本画C」で観察力と構成力を養った後、3年次から古画研究・模写、伝統素材による現代表現、コンセプ…

京都芸術大学📍 京都府
🎓 推薦入試あり

1年次に和紙や岩絵具などの伝統素材の基礎技法を習得し、京都市内の寺社仏閣を巡って古典作品の観察・模写に取り組む。3年次には自らのテーマを深め…

嵯峨美術大学📍 京都府
🎓 推薦入試あり

1000年以上受け継がれてきた画材・技法・画法を学び、美の真理と本質を探究する領域。日本画制作工房と古画研究工房に分かれ、伝統技法と現代表現…

大阪芸術大学📍 大阪府
🎓 推薦入試あり

日本画の表現に不可欠な伝統理解のため基礎知識の習得からスタートするコース。美術学科では1年次に全コース共通の基本技術を学んだのち2年次から本…

尾道市立大学📍 広島県
🎓 推薦入試あり

美術学科3コースの一つ。1年次はデッサンや彫刻実習など全員共通の基礎実技に取り組み、2年次からこのコースを選択して古典模写など日本画の専門実…

広島市立大学📍 広島県
🎓 推薦入試あり

美術学科3専攻の一つ。日本画の伝統的な造形技法と、その歴史・哲学的背景を学ぶ。学年ごとに1つのアトリエで学び、低学年でデッサンや技法研究に取…

崇城大学📍 熊本県
🎓 推薦入試あり

入学後に選択する4コースの一つで、岩絵具や膠(にかわ)など伝統的な日本画の画材と技法を基礎から段階的に学ぶコース。単なる技法の習得にとどまら…

沖縄県立芸術大学📍 沖縄県
🎓 推薦入試あり

美術学科3専攻の一つ、絵画専攻内のコース。素描と伝統的な材料技法の基本を固めたのち、模写や絹本・箔・裏打ちなど日本画特有の技法を習得し、人物…

星槎道都大学📍 北海道
🎓 推薦入試あり

アート専攻に属し、デッサンを基礎に、洋画・日本画・彫刻・工芸実習・西洋美術史などの伝統的な美術表現技法を幅広く学ぶコース。公募展やコンクール…

名古屋造形大学📍 愛知県
🎓 推薦入試あり

「美術とは何か、なぜつくるのか」を問い続けながら、平面表現の歴史と技法を探究する領域。日本画・アートイラスト専攻では顔料彩色や古典模写、屏風…

佐賀大学📍 佐賀県
🎓 推薦入試あり

「手わざ」を基礎にオリジナリティのある表現力を養成する分野。西洋画・日本画・彫刻・ミクストメディア・漆・木工芸・染色工芸・視覚伝達デザインの…

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