きみは船舶・海洋工学のことを、「船の操縦や漁業を学ぶ、海の男の学問」だと思っていないかな? ボクが図鑑で調べてみたら、実際は巨大な船や海の上の構造物を設計する工学で、日本の貿易のほとんどを支える縁の下の力持ちなんだって。実際の学問としての船舶・海洋工学と、専攻できる港(大学・学部学科)の見つけ方を、これから照らしてみるよ。
船乗りになるための訓練をする。漁船に乗って海に出る。昔ながらの造船所で船を組み立てる——船舶・海洋工学って、そんなふうに思われがちなんだって。
実際の船舶・海洋工学は、船と海洋構造物という「海に浮かぶ巨大な機械」を設計・建造するための工学なんだって。全長300メートルを超えるような船もあるんだ。水の抵抗を減らす船型の設計(流体力学)、波に耐える船体構造(構造力学)、エンジンと推進の仕組み、荷物や人を安全に運ぶシステム——機械・構造・電気の知識を総動員して、ひとつの船を作り上げるんだ。
日本は資源や食料の多くを船で運んでくる海運の国だから、貿易のほとんどは船が支えているんだって。しかも今、船の世界は大きな転換期なんだ。二酸化炭素を出さない次世代燃料の船、乗組員なしで航行する自律運航船の研究が世界中で進んでいるんだよ。
さらに、フィールドは船だけじゃないんだ。海に浮かぶ風力発電、海底資源の開発、深海探査——「海を使いこなす技術」全体が海洋工学の守備範囲で、脱炭素時代の主役のひとつとして注目されているんだって。
水の抵抗が小さく、燃費の良い船型を設計する分野だよ。水槽で模型を走らせる実験や、コンピュータによる流れの解析を行うんだって。
大波に繰り返し叩かれても壊れない船体を設計する分野なんだって。巨大構造物ならではの、強さと軽さの両立を追求するよ。
船を動かすエンジンとプロペラの仕組みを学ぶ分野だよ。水素・アンモニアなど、二酸化炭素を出さない次世代燃料の研究も進んでいるんだって。
船を安全に目的地へ届けるための航海計器・通信・運航管理を学ぶ分野なんだって。自律運航船の実現に欠かせない技術だよ。
洋上風力発電や海底資源開発など、海を舞台にした構造物・システムを設計する分野だよ。海という過酷な環境に耐える技術を研究するんだって。
深い海でも風車を浮かべて発電できるようにする浮体式構造物の設計・係留技術を研究しているんだって。再生可能エネルギー拡大の鍵だよ。
カメラやセンサーで周囲の船を認識し、自動で衝突を避けて航行する船の研究だよ。人手の確保が課題と言われる海運の現場を支える研究でもあるんだって。
水素やアンモニアを燃料にして、二酸化炭素を出さずに走る船の実現に向けた研究なんだって。国際海運の脱炭素ルールを見据えた開発競争が進んでいるよ。
数千メートルの水圧に耐えて海底を調査する探査機を開発する研究だよ。まだ人類がほとんど見ていない深海のフロンティアを拓くんだって。
こんなきみには、船舶・海洋工学の島(学問領域)が向いているかもしれないんだって。
この学問にピンときたなら、きみの好き・得意をボクに教えてよ。船舶・海洋工学以外にも、きみに合いそうな学問の島がまだあるかもしれないから、一緒に探しに行こうよ。
船舶・海洋工学の先には、こんな港(仕事)が見えてくるよ。ひとつ大事な注意があるんだ。船長・機関長などの船乗り(海技士)を目指すには、国家資格の海技士免許が必要で、乗船実習を含む養成課程のある大学・学科で学ぶのが代表的なルートなんだって。海技士養成に対応した学科は限られているから、船に乗る仕事を目指すなら、その大学・学科が養成課程を持っているかを入学前に必ず確認してね。
必ずしもそうじゃないんだ。船を設計する造船エンジニア、海洋開発の技術者など、陸上で働く進路がむしろ中心なんだって。船に乗る海技士の道は、養成課程のある学科で乗船実習を積むルートで、同じ「船の学び」でも中身が分かれているんだよ。
水産学が魚などの海の生物資源を科学するのに対して、船舶・海洋工学は船や海洋構造物という人工物を設計する工学なんだって。同じ海がフィールドでも、生き物に向き合うか、機械・構造物に向き合うかが大きな分かれ目だよ。
日本の貿易は、重さでみると99.5%を船が運んでいるんだって(2024年)。次世代燃料船・自律運航船・洋上風力といった新しいテーマもあるんだ。特定の産業の勢いは時代で変わるから断定はできないけれど、海を舞台にした工学の出番はいろいろあるみたいだよ。
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