🚢 学問領域ガイド

船舶・海洋工学とは? どんな学問か、どこで専攻できるか

岬トモルン(わくわく)

きみは船舶・海洋工学のことを、「船の操縦や漁業を学ぶ、海の男の学問」だと思っていないかな? ボクが図鑑で調べてみたら、実際は巨大な船や海の上の構造物を設計する工学で、日本の貿易のほとんどを支える縁の下の力持ちなんだって。実際の学問としての船舶・海洋工学と、専攻できる港(大学・学部学科)の見つけ方を、これから照らしてみるよ。

最終更新日: 2026-09-15

🌊船舶・海洋工学は「イメージ」と「実際の学問」がかなり違う

世間一般のイメージ

岬トモルン(にっこり)

船乗りになるための訓練をする。漁船に乗って海に出る。昔ながらの造船所で船を組み立てる——船舶・海洋工学って、そんなふうに思われがちなんだって。

実際の学問としての船舶・海洋工学

岬トモルン(考え中)

実際の船舶・海洋工学は、船と海洋構造物という「海に浮かぶ巨大な機械」を設計・建造するための工学なんだって。全長300メートルを超えるような船もあるんだ。水の抵抗を減らす船型の設計(流体力学)、波に耐える船体構造(構造力学)、エンジンと推進の仕組み、荷物や人を安全に運ぶシステム——機械・構造・電気の知識を総動員して、ひとつの船を作り上げるんだ。

日本は資源や食料の多くを船で運んでくる海運の国だから、貿易のほとんどは船が支えているんだって。しかも今、船の世界は大きな転換期なんだ。二酸化炭素を出さない次世代燃料の船、乗組員なしで航行する自律運航船の研究が世界中で進んでいるんだよ。

さらに、フィールドは船だけじゃないんだ。海に浮かぶ風力発電、海底資源の開発、深海探査——「海を使いこなす技術」全体が海洋工学の守備範囲で、脱炭素時代の主役のひとつとして注目されているんだって。

🔍学べる内容の例

🌊 船舶流体力学
岬トモルン(わくわく)

水の抵抗が小さく、燃費の良い船型を設計する分野だよ。水槽で模型を走らせる実験や、コンピュータによる流れの解析を行うんだって。

🏗️ 船体構造・材料
岬トモルン(わくわく)

大波に繰り返し叩かれても壊れない船体を設計する分野なんだって。巨大構造物ならではの、強さと軽さの両立を追求するよ。

⚙️ 舶用機関・推進システム
岬トモルン(わくわく)

船を動かすエンジンとプロペラの仕組みを学ぶ分野だよ。水素・アンモニアなど、二酸化炭素を出さない次世代燃料の研究も進んでいるんだって。

🧭 航海・運航システム
岬トモルン(わくわく)

船を安全に目的地へ届けるための航海計器・通信・運航管理を学ぶ分野なんだって。自律運航船の実現に欠かせない技術だよ。

🌐 海洋開発工学
岬トモルン(わくわく)

洋上風力発電や海底資源開発など、海を舞台にした構造物・システムを設計する分野だよ。海という過酷な環境に耐える技術を研究するんだって。

🔬研究テーマ例

💨 洋上風力発電の浮体構造の研究
岬トモルン(わくわく)

深い海でも風車を浮かべて発電できるようにする浮体式構造物の設計・係留技術を研究しているんだって。再生可能エネルギー拡大の鍵だよ。

🤖 自律運航船(無人運航船)の研究
岬トモルン(わくわく)

カメラやセンサーで周囲の船を認識し、自動で衝突を避けて航行する船の研究だよ。人手の確保が課題と言われる海運の現場を支える研究でもあるんだって。

🍃 ゼロエミッション船の研究
岬トモルン(わくわく)

水素やアンモニアを燃料にして、二酸化炭素を出さずに走る船の実現に向けた研究なんだって。国際海運の脱炭素ルールを見据えた開発競争が進んでいるよ。

🐋 深海探査機の開発
岬トモルン(わくわく)

数千メートルの水圧に耐えて海底を調査する探査機を開発する研究だよ。まだ人類がほとんど見ていない深海のフロンティアを拓くんだって。

どんな人に向いている?

岬トモルン(にっこり)

こんなきみには、船舶・海洋工学の島(学問領域)が向いているかもしれないんだって。

  • 海や船が好きで、「作る側・支える側」から関わりたい人
  • 物理と数学を使った、スケールの大きなものづくりに挑みたい人
  • エネルギーや環境問題に、技術で貢献したい人
  • 世界の物流や貿易など、社会を支える仕組みに興味がある人
岬トモルン(にっこり)

この学問にピンときたなら、きみの好き・得意をボクに教えてよ。船舶・海洋工学以外にも、きみに合いそうな学問の島がまだあるかもしれないから、一緒に探しに行こうよ。

⛵ 好き・得意から、きみのシンロを探してみる

🌅卒業後の進路・関連職業

岬トモルン(おっと)

船舶・海洋工学の先には、こんな港(仕事)が見えてくるよ。ひとつ大事な注意があるんだ。船長・機関長などの船乗り(海技士)を目指すには、国家資格の海技士免許が必要で、乗船実習を含む養成課程のある大学・学科で学ぶのが代表的なルートなんだって。海技士養成に対応した学科は限られているから、船に乗る仕事を目指すなら、その大学・学科が養成課程を持っているかを入学前に必ず確認してね。

  • 造船会社: 船の設計・建造に携わる。
  • 海運会社: 船の運航管理や、航海士・機関士として船の運航に携わる。
  • 重工業・エンジニアリング会社: 舶用エンジンや海洋構造物の開発に携わる。
  • 洋上風力・海洋開発関連企業: 海のエネルギー・資源開発プロジェクトに携わる。
  • 官公庁・研究機関: 海事行政や船舶・海洋技術の研究に携わる。

🐚よくある質問

船舶・海洋工学科に入ると船乗りになるのですか?
岬トモルン(考え中)

必ずしもそうじゃないんだ。船を設計する造船エンジニア、海洋開発の技術者など、陸上で働く進路がむしろ中心なんだって。船に乗る海技士の道は、養成課程のある学科で乗船実習を積むルートで、同じ「船の学び」でも中身が分かれているんだよ。

水産学部との違いは何ですか?
岬トモルン(考え中)

水産学が魚などの海の生物資源を科学するのに対して、船舶・海洋工学は船や海洋構造物という人工物を設計する工学なんだって。同じ海がフィールドでも、生き物に向き合うか、機械・構造物に向き合うかが大きな分かれ目だよ。

造船は斜陽産業だと聞きましたが、将来性はありますか?
岬トモルン(考え中)

日本の貿易は、重さでみると99.5%を船が運んでいるんだって(2024年)。次世代燃料船・自律運航船・洋上風力といった新しいテーマもあるんだ。特定の産業の勢いは時代で変わるから断定はできないけれど、海を舞台にした工学の出番はいろいろあるみたいだよ。

船舶・海洋工学が専攻できる大学の例(全国)

全国から代表的な13件を紹介。エリアごとの一覧は下のボタンから見られます。

東京海洋大学📍 東京23区
🎓 推薦入試あり

2年次後学期から船舶管理分野・海事工学分野に分かれて学ぶ学科で、船舶管理分野では船舶の運航管理・保守管理を担える技術者の育成をめざします。4…

東京海洋大学📍 東京23区
🎓 推薦入試あり

2年次後学期から船舶管理分野・海事工学分野に分かれて学ぶ学科で、海事工学分野では運航の視点から海事関連の機器・装置・システムの設計・開発など…

大阪公立大学📍 大阪府
🎓 推薦入試あり

海洋という地球システムの一部と、海で行われる人間・社会活動との関わり方を探る学科です。海を守る技術、安全で効率のよい海洋輸送システム、海洋資…

大阪大学📍 大阪府
🎓 推薦入試あり

船や海洋構造物を扱う船舶海洋工学を、力学と数学を軸に流体・構造・制御など複数の学問領域を体系的に積み上げながら学ぶコース。3年次の「船舶海洋…

神戸大学📍 兵庫県
🎓 推薦入試あり

船舶や海洋構造物の設計、海底掘削技術など、工学的観点から海洋技術開発を探求する領域です。海洋基礎科学領域が理学的アプローチを取るのに対し、こ…

神戸大学📍 兵庫県
🎓 推薦入試あり

商船学の観点から、船の運転技術や管理、海洋政策科学を学ぶコースです(航海学領域・機関学領域)。乗船実習を含む実践的な教育を通じて、船を動かす…

愛媛大学📍 愛媛県
🎓 推薦入試あり

2026年度に新設された特別コース。日本最大の海事都市である今治市に設置されたサテライトキャンパスで3年次から学び、造船会社や船舶機器メーカ…

九州大学📍 福岡県
🎓 推薦入試あり

船や海洋構造物を設計・建造するための工学を学ぶ学科です。数学・力学・製図を柱に、3年次には造船所などでの工場実習も行い、大型船の設計から図面…

長崎総合科学大学📍 長崎県
🎓 推薦入試あり

「海とデジタルをつなぐ」をコンセプトに、造船・海洋分野へのAI・DX活用を学ぶ学科。既存の船舶工学コースを土台に、今治造船・名村造船所など地…

東海大学📍 静岡県
🎓 推薦入試あり

物理・化学・生物学といった自然科学の基礎から海洋の専門科目へ進み、理学・工学・社会科学を横断して海を学ぶ学科です。海洋理工学専攻では、地球物…

福山大学📍 広島県
🎓 推薦入試あり

機械システムコース・海洋機械コースの2コースの一つ(2025年4月新設)。瀬戸内地区の海事産業に対応した教育を行い、地元企業との連携による実…

横浜国立大学📍 神奈川県
🎓 推薦入試あり

機械工学・材料工学・海洋空間のシステムデザインという3つの教育プログラム(EP)から成る学科です。機械工学EPでは機械部品から複雑な機械シス…

広島大学📍 広島県
🎓 推薦入試あり

船舶・航空機・自動車・鉄道など輸送機器と物流システムを扱うプログラム。2年次後期の必修「船舶設計法とその実習」「輸送流体力学」で基礎を固め、…

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