病院で生まれる記録やデータを、集めて・守って・役に立てる学問です。カルテの中身を正しく整えること、電子カルテなどのしくみを動かすこと、たまったデータを分析して医療の質を上げること。医学そのものを学ぶのではなく、医療と情報の間に立つ役割を学びます。
この分野を置く学科は、だいたい3つの柱で組み立てられています。医学・医療の基礎、情報技術、そして病院の経営や事務。高崎健康福祉大学の医療情報学科は2年次から「医療コース」と「情報システムコース」に分かれ、前者は基礎医学や病院経営、後者はプログラミングやネットワークを重点的に扱います。学科の名前は「医療情報」「医療経営」「医療データサイエンス」などさまざまですが、中にある柱は近いものです。
診療情報管理士という資格が、この分野の学びの中心に置かれることが多いです。カルテの管理を専門にする職で、新潟医療福祉大学・福知山公立大学・名古屋産業大学などが資格の取得を軸に組み立てています。ほかに医療情報技師、医療経営士、ITパスポートや基本情報技術者といった情報系の資格をあわせてめざす学科もあります。
カルテを読むために、医学用語や臨床医学の基礎を学びます。東北福祉大学の医療経営管理学科は医学・医療用語や公衆衛生学を基礎に置き、国際医療福祉大学の医療マネジメント学科では医師免許を持つ教員から臨床経験をもとに学びます。
診療記録に関する法規、個人情報の保護、診療報酬の請求のしくみ、国際的な統計分類にもとづくコーディング。名古屋産業大学の医療情報管理コースはこれらを並べて扱います。
プログラミング、データベース、ネットワーク、情報セキュリティ。日本医療大学の医療DXマネジメント学科は電子カルテなどのしくみを軸に、プログラミングからプロジェクトマネジメントまでを段階的に学びます。
統計やAIを使って医療のデータを読み解きます。川崎医療福祉大学の医療データサイエンス学科は保健医療の知識と情報技術を合わせて学び、第一薬科大学の医療データサイエンスコースは創薬支援や画像による診断支援を扱います。
人材・設備・財務といった病院を動かす側も学びます。広島国際大学の医療経営学科は、人の管理・施設や設備・お金・医療情報の使い方・医学の基礎・社会のしくみという6つの分野を並べ、経営学と医療学を組み合わせて学びます。
研究の対象が、病院で実際に動いているしくみになります。川崎医療福祉大学の医療データサイエンス学科は、医療情報システムの企画から開発・運用までを体系的に扱います。
病院での実習が組み込まれている学科が多いです。名桜大学の健康情報学科は3年次に病院実務やPBL形式の学びを置き、東北福祉大学は診療情報管理士に必要な医療機関実習を1年次から段階的に組んでいます。
東京医療保健大学の医療情報学専攻は、VR・AR・3Dプリンタといった技術の医療応用や、教育用の電子カルテを使った演習を扱います。
数字やデータを扱うことが好きで、しかもそれを人の役に立てたい人に向いています。医学そのものより「医療を支えるしくみ」に関心がある人、情報技術を学びたいけれど扱う対象が決まっていると取り組みやすい人にも合います。逆に、患者に直接 向き合う仕事を考えているなら、看護学や臨床工学のように資格と職が結びついた分野のほうが近いことがあります。
この学問にピンときたなら、きみの好き・得意をボクに教えてよ。医療情報・診療情報管理以外にも、きみに合いそうな学問の島がまだあるかもしれないから、一緒に探しに行こうよ。
診療情報管理士として病院のカルテ管理に関わる人、医療情報技師としてシステムの側を支える人、医事課などで病院の運営に関わる人がいます。医療機器やシステムの会社、製薬会社、一般の情報システムの会社に進む人もいます。学科によって資格の組み立てが違うので、めざす資格が取れるかは志望校ごとに確かめてください。2026年10月時点でシンロノズカンが把握しているこの分野の学科・コースは18で、15の大学に置かれています。
違います。看護学や臨床工学は患者に直接 関わる資格と結びついた分野です。この分野は記録・データ・システムの側を扱います。ただし境は固定ではなく、長崎総合科学大学の医療情報工学コースのように臨床工学技士を養成するものもあります。
情報技術そのものを学ぶ点は重なります。違うのは、扱う対象が医療に決まっていること、そして医学用語・診療報酬・法規といった医療の側の知識が学びに入ることです。高崎健康福祉大学のように、同じ学科の中で医療寄りと情報寄りのコースに分かれる例もあります。
学科・コースとして置かれている例があります。姫路獨協大学の産業経営学類(医療・スポーツコース)や江戸川大学のように、経営の学部の中にこの分野のコースが置かれることがあります。学部の名前だけでは分からないので、学科・コースの名前と中身を見てください。
学科によって違います。資格の取得を軸に組み立てている学科もありますが、取得には試験があり、カリキュラムを修めることと資格を得ることは別です。志望校の案内で、受験資格が得られる条件と実際の合格の状況を確かめてください。
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